幼稚園の頃、川柳を書くという課題があった。
一句だけ、今でも記憶に残っているものがある。
「歩きたい いつかみんなと 走りたい」
これを久しぶりに思い出した時、ハッとした。涙が出た。
今でも自転車に乗りたいと思うことがある。
やっぱり、歩きたいという思いは変わらない。
昔は、手を繋いで彼女と歩きたいとか、
足で歩くことに、いろんな思いを馳せていた。
そんな思いを僕は、一枚一枚剥がしてきたように思う。
車いすをこぎながら彼女と手を繋いでいた高校時代のこととか、
車いすの生活で起きたいろんな出来事や、そこから得た自信とか。
それでも「歩けなくていい」とか、「車いすだから幸せ」とか、
僕はこれからも言えないし、言わないと思う。
今日も昔も抱いてきた「歩きたい」という思いを大切にしながら、
“足で歩けない”人生に、誇りを持てるように生きていきたい。