久しぶりに、生きることが辛いと思った日

「車いすで生きることって辛いんだな…」
出張先のミャンマーで、久しぶりに感じた。

二十数年生きてきて、いろんなことがあった。それでも、辛いと思うのは、久しぶりだった。なにが辛かったのかと言えば、一人では外に出られないことだった。

滞在先はミャンマーの旧首都、ヤンゴン。旧首都とはいえ、歩道は舗装されていない場所が多く、至る所に20センチ程度の段差があった。同行したスタッフがサポートしてくれたけど、彼なくしては1人での外出は到底不可能だった。

ミャンマーでは、5日間の滞在期間で、講演する機会が4回あった。そのうち一回は、ミャンマー全土の起業を志す障害のある方々に講演をした。

Myanmar

話を聞くと、歩けない人でも車いすを持っているのは稀で、理由は車いすが役に立たないからだと。棒のような杖を使い、足を引きずりながら歩いている姿は、少し痛々しくも感じた。この日、僕は生涯忘れもしない衝撃を、感動を、彼ら彼女らに与えてもらった。

一人の障害のある若者は、二日間、バスを乗り継いでヤンゴンまで来ていた。一人の足が不自由な女性は、14時間のバス移動で、トイレに行かなくていいようにと、二日間もの間、飲まず食わずで、この日のバスに備えたと聞いた。

それでも、彼ら彼女らの口から「辛い」という言葉を聞くことはなかった。胸が締め付けられるような、言葉では言い表せない感覚になった。同時に、そこまでして足を運んでくれたことに、涙が出そうだった。

僕の病気は遺伝性で、先祖代々受け継がれてきた。自分の先祖がこうした生活を送っていたことを考えると、他人事ではなかった。日本はもちろん、世界にもっと視野を向け、できることをしようと心新たにした。


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