幸せにできなくとも、不幸にはさせない

「異形に対する心の壁は、慣れることでしか解消されない」
ある研究者が残した言葉だ。彼は障害があって、社会からの差別に苦しんだ。

「異形」…普通とは違う形・姿をしていること。また、そのさま。(名・形動)
辞書ではこのように定義されている。

なにをもって普通とするかはさておき、人は本能的に、自分とは異なる形や姿に対して、なんらかの線引をする。それは、「識別」の域を越え、「区別」となり、時に「差別」にもなる。

僕は、僕に慣れるまで、随分時間がかかった。車いすに乗っている自分が嫌いだった。自身を、劣っている者として、弱者として識別し、心の奥底で自分のことを差別していた。今も歩きたいという思いは変わらない、今も好きとは言えない。けど、嫌いではなくなった。

今日までの時間で、どんな変化があったかを紐解けば、自分自身で変わったのではなく、変えてもらったことに気づく。過保護ではなかった父と母、対等にケンカをしてくれた友人、好きと言ってくれた恋人、夢に向かって共に歩んでくれる仲間。

支えてくれる人が、優しく向き合ってくれる人が、そして、厳しく接してくれる人がいた。僕は、出会えたからよかった。辛いこと、悲しいことはいっぱいあったけど、不幸ではなかった。

世界を見渡せば、不幸な境遇にいる人、不幸な最期を迎える人がいる。理由は千差万別で、すべてを解決することは難しい。出会った人たちに与えてもらった分、僕はそれを力に変えて、不幸な理由や課題、壁を少しでも多く取り除いていきたい。


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